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このブログでは、関西・近畿とその隣接域を主体に、主に車中泊キャンプの様子や野外活動にまつわること、趣味の蕎麦食べ歩きや愛車・クルマのことについて綴っていきます。

【蕎麦探訪記 No.117】生粉打蕎麦玄太

生粉打蕎麦玄太
京都府京都市伏見区魚屋町574 ハイツ桃山107

訪問日:令和6年3月9日(土) 11:20
天 候:晴れ時々曇り
気 温:6℃
湿 度:55%
URL:https://www.facebook.com/hamagenta
    https://www.instagram.com/genta_kikosoba/
電 話:075-755-5116
所在地:京都府京都市伏見区魚屋町574 ハイツ桃山107

https://maps.app.goo.gl/nzuHkwXSutzayeM17

 

今回は明治天皇陵・伏見桃山陵のある京都市伏見区の蕎麦店、「生粉打蕎麦玄太」さんにやってきました。お店の屋号の通り生粉打ち専門とした蕎麦店で、取り扱われる蕎麦はほぼ福井県の丸岡在来、大野在来の2種類だそうです。というのも玄太さん、「香福の極み 越前蕎麦認証店」(旧:「おいしい福井県産そば使用店」の3区分カテゴリがあるうちの「福井県産そば・石臼挽き」区分認証店だからです。

fupo.jp

香福の極み~はこちらもあわせてご確認いただければよいですが、このロゴマークやのぼりがある店は、そう、ほぼ間違いなく至高の福井の蕎麦が堪能できるお店です。

で、玄太さんの蕎麦の提供スタイルとしては2種同時に提供されることはなく時期によってどちらか1種の取り扱いとなるそうです。お店の方に訊いてみるとどちらになるかはその都度、とのことなので行ってみないとわかりません💦もしかするとお店のFacebookやinstagramで告知があるかもしれませんね。ちなみに今回訪問時は丸岡在来をご使用になられていました。

店内に入るとすぐ左手に蕎麦挽き部屋がありました。石臼手挽きか電動石臼挽きの2種類の蕎麦があり、手挽きの方は玄挽きになるようです。ということは電動臼の方は丸抜きになるんですかね?

店内はカウンター席が8席、2人掛けテーブルが4席の合計16人分の席があります。

少し年季が入った和風の店内イメージで、なんとなく居酒屋の居抜きのような印象を覚えました。ちなみに入口の横には蕎麦挽き場がありましたね。

今回は以下の蕎麦を頂きました。

今日は王道的な注文ができそうです🎵

迷うことなく、手挽き盛りそばと鴨汁そばを注文~
えっと、手挽き盛りそばがそのまんま石臼手挽きで、鴨汁の蕎麦は石臼電動挽きを選択しました。臼の差については食べてから判断してみましょう。

では、

蕎麦茶飲んでしばし待ちましょう…

 

  手挽き盛りそば(玄挽き生粉打ち・大盛り)

盛りそば(手挽き玄挽き生粉打ち・大盛り)

------ 蕎麦切り ------------------

平打ちの蕎麦切りです。やや粗挽きで星飛びがふんだんにあります。店主さんの手挽きで魂のこもった蕎麦です。

水切りは意図的に甘めにされているのか、見た目はツヤっとしています。見た目の印象そのままのリップタッチでツルツル感豊富です。咀嚼前に気になっていましたが、平打ちなのでコシは大丈夫かな…と思っていましたが、実際に噛んでみるとそんな心配は全く無用。生粉打ちなのに相当なコシがありました。すごい蕎麦打ちの技術ですね。

咀嚼を始めるといかにも在来種という強い蕎麦の香り、抽象的な表現をすると、収穫地の土壌の雰囲気、夕陽に照らされたそばの実の香り、のようなイメージが浮かび上がりました。蕎麦の野生感がとても強く現れている蕎麦切りですね。蕎麦の香りが口腔から鼻腔へと抜けていく様は非常に心地よく感じました。

咀嚼を続けると、コシが強かった食感は徐々に生粉打ちらしいモチモチ感へと変遷します。嚥下時、蕎麦の塊をゴクッと飲み込む感動がありました。食感もとても力強いものを感じます。

とにかく、あらゆる蕎麦のいいとこ取りのような非の打ち所のない蕎麦切りだと感じました。

------ 蕎麦つゆ ------------------

ほんの少し甘口寄りの塩梅に感じました。かえしがとても力強い様子です。節系出汁とかえしの融合感・一体感に優れ、どちらかの風味が勝る、ということではなくまるでひとつの液体のようなハイレベルなまとまり感がありました。

------ 薬味 ----------------------

山葵、辛味大根、青葱の3種。

山葵は想像以上にピリ辛で、箸先にチョンと乗せた程度の量でも十分辛味を感じ取ることができます。風味も力強く、かなりのパンチ力のある山葵です。

辛味大根はさほど辛くはなく、食べやすい・口にしやすい辛味があります。10段階中6ぐらいのイメージの辛さだとお考えください。大根の風味は強くあり、薬味としてのアイデンティティは確保されていました。

青葱はシャキシャキ食感で、風味は中庸です。強くもなく弱くもないといった印象です。

3種の薬味、それぞれが力強い個性がありましたが、丸岡在来の強い蕎麦風味ととても良い勝負をしていました。両者個性が強くどちらも引けを取っていない、というイメージですね。

------ 蕎麦湯 --------------------

片栗粉型蕎麦湯。相当なとろみ感がありますが、相当な片栗粉風味も感じます。見た目は純白に近く白濁としていました。冬季で体が冷え込む時は、この蕎麦湯はマッチするかもしれませんね。

いか様的には片栗粉が入っていないストレートな蕎麦湯を頂いていみたいです。蕎麦の素性が優秀すぎるので、ストレート型で十分な性能を発揮するでしょうから…

 

続きまして、

 

  鴨汁そば(電動石臼挽き丸抜き生粉打ち)

鴨汁そば(電動石臼挽き丸抜き生粉打ち)

------ 蕎麦切り ------------------

こちらも平打ちのやや粗挽きで、先に結論を言ってしまうと正直なところ手挽きも電動も大きな差は感じられません。手挽きでも電動でも、そんなに拘らなくてもいいように思います。逆を言えば、「気持ちで食べる」のであれば拘ってもいいかもしれない、と言った具合です。
つまり大きな差は感じられないということは、この電動石臼挽きでもハイレベルでよい蕎麦切りが担保されているといことです。

やや粗挽きの蕎麦なので蕎麦風味はガツンと表出してきます。何にせよ粗挽きの蕎麦はとにかく香りと風味のインパクトが強い!

余談に入ります。
粗挽きなら二八で打たれても全く問題ないと思いますが、玄太さんでもそうですがよく屋号で「十割蕎麦◯◯◯」とか「生粉打ち蕎麦◯◯◯」ってのがありますよね。まあこれって恐らく蕎麦を求める人がいわゆる十割蕎麦を欲する傾向が強いからなんでしょうし、店側もお客さんがより多く来てくれるなら生粉打ちに絞って屋号にもそういった文言を入れてしまうんでしょう。

まあここに大きな誤解があるわけで、風味・香りは蕎麦の命であることは揺るぎない事実であり絶対的な存在価値であるとは思いますが、しかし十割だから風味香りが強く、二八はそれに劣る、ということじゃありません。要は香りの出し方の問題で、蕎麦の実もあまり細かく挽いてしまうと空気との接触(粒子全体で表面積が大きくなる)で風味が薄れがちになってしまいますが、粗挽きだと挽いた実の粒が大きい反面、噛み砕いたときにそれまで空気に触れていなかった実の粒の内側から一気に風味・香りが放たれることになります。つまり保護されていた風味・香りが口にしてからはじめて表に出てきて踊りだすというわけです。これが元から風味・香り性能の高い在来種なら尚更、それが粗挽きになるともう、風味爆弾が爆発するようなものですね。

なので性能の良い蕎麦を粗挽きにするなら、それが二八であっても感激自体は全くと言っていいほど変わりません。唯一、つなぎ(小麦粉)の風味が余計、もしくは好きじゃない、と敏感な嗅覚を持った方がそれを言うのは理解できますが(^^ゞ

二八や一九ならつなぎが含有される分ツルツル感やコシの力等の食感が増しますし、爽快な食感で香り高い蕎麦を食べたいのなら、こういった場合は絶対的につなぎ入りの蕎麦の方が良いに決まってますよね。

たまに生粉打ちと二八(つなぎ入り)を同時に食せる食べ比べメニューがあるお店がありますが、そういったお店と出会った時こそ、是非食べ比べしてみるといいと思います。蕎麦のみの香りとつなぎの入った蕎麦の香り、両者食べ比べてつなぎの入った蕎麦の風味とはこういった感じなのか…としっかりと認識できますし、以降の蕎麦食でその味の記憶が十分に活かされることになりますから。

余談が長くなりましたm(_ _)m
なお食感等は概ね変わりありませんが、こちらの蕎麦切りは丸抜きということもあり、リップタッチはよりツルツルで見た目も星飛びの量はやや少なめでした。

------ 鴨汁 ----------------------

鴨肉3枚、つみれ団子2つに青・白葱がたくさん浮かんでいます。汁自体はやや濃厚イメージで濃厚さを10段階で表現すると7ぐらいのイメージになります。鴨の旨味が凝縮された脂が多く表層を泳いでいました。

鴨肉には片栗粉がコーティングされているのか、口にした瞬間、ヌルッ、ツルンとしたリップタッチでした。この食感は好きですね。以前奈良県天理市の「かおく」さんでも同様のリップタッチの鴨肉を口にしたことがありますが、その時は結構衝撃を受けたものでした。今回、同様の食感に再開できた気がしてとてもうれしくなりました。

 

玄太さんは生粉打ち専門。それに魅力を感じるのか、来客数も多い印象です。なお「大盛り」対応は基本OKなのですが、ピークタイムあたりになるともしかして対応不可になるかもしれません。理由は来客数が多いからです。なので大盛りを所望される場合は早目の時間(開店時刻ぐらい)に店に訪れたほうがいいかもしれません。

今回は多くの喜びを感じ取ることができました。また近くに寄った際は再訪させて頂きたいと思います。


では恒例の駐車事情のお話でーす!

お店専用に確保された駐車場はありません。近隣のコインパーキングを利用することになります。 コインパーキングは徒歩3分圏内で4箇所ぐらいあります。

事前にgoogleマップで下調べしてからお店に訪問するようにしましょう。なお近隣は観光地周辺ということもあり車の往来量は多いです。また徒歩の人が多い上に道も狭めなので、通行には十分注意してください。

 

 

「生粉打蕎麦玄太」主観的評価
★★★★★★★☆☆☆
(何度でも行きたくなる素晴らしい蕎麦店)

 


https://youtu.be/ewA3XD53RYk

 

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