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このブログでは、関西・近畿とその隣接域を主体に、主に車中泊キャンプの様子や野外活動にまつわること、趣味の蕎麦食べ歩きや愛車・クルマのことについて綴っていきます。

【蕎麦探訪記 No.101】我流菴かかかび

我流菴かかかび
三重県伊賀市甲野1629

訪問日:令和5年4月1日(土) 11:30
天 候:晴れ
気 温:19℃
湿 度:38%
URL:https://r.goope.jp/sr-24-244811s0143/
電 話:0595-51-4307
所在地:三重県伊賀市甲野1629

https://goo.gl/maps/fJchfHzZ6TYGod9F8

 

実はこのお店、過去2回訪問してて2回ともお店に入れず終いだったんです。1回目は営業日を勘違いして休業日に訪問してしまうという愚行w 2回目は店にまでたどり着いたものの予約客満員で長時間待ちだったため断念。後述(後述①)しますがこのお店のアクセスはかなりハードレベルなんですが、

今回の3回目訪問となると大体心構えができてたので慌てずアクセス…のはずが、まだ少し手間取って…という難易度の高さよw 後述(後述②)しますが、駐車場へのアクセスは絶対的にお店推奨の方法でアクセスするのがベストです。※ミニバンで↑のGIFみたいな行き方だと、無事にたどり着けません。

とまあ、高難度アクセスの壁を乗り越え、お店まで!

今回はきっちりと事前予約してこのお店に馳せ参じました。食事して事前予約の理由(後述③)が分かりましたが、このお店に行く場合は予約して行くのがベスト、というか予約しないといけないお店です。予約なしで行くのはお店の方が困っちゃうでしょうきっと。

さて、「我流菴かかかび」さん。屋号に我流、という文字がありますが、店主さんのお話を聴いていたらまさに「我流」。店主さんご自身も、「僕の作る蕎麦は(~~だから)まさに我流やね」と仰っていました。お仕事を定年退職され、その後独自の蕎麦道に入って現在に至る、だそうです。あそうそう、~~だから、はまた後述(後述④)します。後述ばっかりですいません💧
また「かかかび」はご覧の通り地蔵菩薩、まあお地蔵様の真言(呪文)である「おん かかか びさんまえい そわか」が由来となっているそうです。わかりやすく言うと、「地蔵菩薩様、地蔵菩薩様、地蔵菩薩様、あなたにすべてを投げ出して従い、讃え、願いを成就させます」→「ねえねえ、ねえお地蔵さん!全部さらけ出して言う事聞くから、お願い叶いますように…😌」みたいな感じであってるかな?womajinai-navi.jp

そうそうちなみに店主さん、実は能面師でもあるそうで、今でも能面を掘られているそうです。今回いか様が着座した席とは別客室の一角に、能面材料の分厚い板などが置かれていました。あ、この能面の話は同行した我が母ちゃんがそのことに気づいたようで(客室に能面に関する書籍があったそうです)、母ちゃんは以前とある能面師と知り合いだったことが功を奏したようで直感的に気づいたそうです。さすが年の功だな…🤔

店名由来と能面、なにか共通項があるような気がしますが、何が共通項なのか分からず仕舞いです。でもこれが店主さんのお人柄・人となりを表しているように思えてなりません。一つはっきりわかるのは、「職人肌」だということでしょうか。蕎麦打ちになる道筋や能面作ったりと…これは共通してますよね(^^ゞ
ちなみにリサーチしたところ、店名由来に触れている口コミは某所で一つあったぐらいで、能面に関する口コミネタはどこを探しても見つかりませんでした。

ではさて、そんな職人の店主さんの蕎麦、頂くことにしましょう。まずは店に入らんとw

店内はこんな感じ、4人お座敷席✕2と3人お座敷席✕1です。が、入口から別方向に、別の大きめの客室もあります。そっちは4人お座敷席✕3だったかな。

あ、そうそう。今回お店に入る前に、事前にメニューを渡されていたんだった。

メニュー内容は少し多めに準備されているようですね。
いか様は、十割粗挽き蕎麦の大盛りと鴨つけ蕎麦を注文することにしました。おろしそばが辛味大根だったらおろしそば注文してたんですが、確認したら辛味大根ではなかったので… で、我が母ちゃんは珍しく冷蕎麦の三種盛りをご注文です。今日はあたたかい日なのでw

じゃ、頂きましょうかo(^-^)o

 

  十割粗挽き蕎麦(大盛り)

十割粗挽き蕎麦(大盛り)

------ 蕎麦切り ------------------

店主さんに訊くと、なんと四種の蕎麦粉をブレンドされたものを使用されているとのこと。週単位でブレンド品種を変えられているそうです。本日は、(全部覚えきれませんでしたが)福島県会津の「会津の香り」、北海道産◯◯種、福井県丸岡在来、と、もう一種類の4種です。この組み合わせは、店主さんの試行錯誤で生み出された絶妙の調合とのことでした。訊いたのにメモを取る余裕もなくしっかりと把握できなかったことが残念でなりません😭

兎に角本日はこの4種のブレンドを使用された生粉打ちの蕎麦切りです。驚いたのはコシの強さとモチモチ感でした。順を追って説明していくと、まずリップタッチですが、水切りで少し水分が残留していることもあり、非常にツルツル感に富んでいます。一瞬で口の中に吸い込まれていくような感覚です。口に入り咀嚼を始めると、すぐに蕎麦ならではの特徴的な香りが立ち込め鼻腔を抜けていきます。粗挽きであることもあり、香りの立ち方が強いです。春先なのに収穫の秋のイメージを彷彿させる香りで、蕎麦の野趣性を感じざるを得ません。前述の通りコシがとても強く、噛んだ歯が弾き返されるぐらいのコシ・弾力がありました。これで生粉打ち…なんというすごい蕎麦切りなんだと感心させられてしまいました。そしてそのまま噛み続け、蕎麦切りは徐々に餅や団子のような状態に変遷します。驚きです。食感、香り両者が異次元の素晴らしさです。刮目に値するとはまさにこのことです。本来、個人的には品種の違うブレンド粉はその蕎麦の特徴がぼやける(ブレンドするので当然っちゃ当然)ことになり単一種の蕎麦の味や風味がわからなくなってしまうので避けて通りたいところなんですが、かかかびさんのブレンドは、もうそんなことどうでもいい、とにかくハイレベル!と思わせるものだったので十分満足しています。

なお後述④の「僕の作る蕎麦は(~~だから)まさに我流やね」って話ですが、そもそも店主さん、蕎麦打ちをはじめた際に完全独学で蕎麦道に入られたそうで、特にどこかの店で修行したとか、別の蕎麦打ちの方に師事したとかないそうです。一から独学、現在に到るまで独学ということで「我流」だそうです。今回の蕎麦もブレンドの組み合わせも自力でいろいろ試してたくさんの試行錯誤の結果辿り着いた結果だそうで、完全独学なのにここまでクオリティの高い蕎麦切りを生み出されたということになります。とてつもなく職人性を感じますね。

------ 蕎麦つゆ ------------------

一言で言うと、濃厚辛口の関東型です。辛口度は結構高いので、蕎麦切りを浸す場合は掴んだ蕎麦切りの全体の1/3程度で十分です。出汁とかえしのバランスは絶妙ですが、このお店の蕎麦つゆは出汁風味よりもかえしのパンチ力が勝っています。

使われている醤油の品種・ブランドがとても素晴らしいのか、日常ではあまり口にすることのない生きた発酵感、仄かな酸味と風味を感じました。節系の出汁風味が勝る蕎麦つゆは巷の蕎麦店でよくお見受けしますが、逆にここまでかえしの力が目立った蕎麦つゆはあまり遭遇しません。ぱっと思い出せる過去の店としては「黄色いのれん(新宅本店)」さんの蕎麦つゆぐらいでしょうか。

人の好みは千差万別ですが、私はかかかびさんの蕎麦つゆ、非常に気に入りました。

------ 薬味 ----------------------

青葱、白葱、山葵の3種。

山葵は香り過ぎず辛すぎず、非常に口にしやすい優しい辛味でした。舌触り、香りともに滑らかで、洗練感に富んでいます。
葱は両者とも明確で心地よい葱風味が生きていましたが、白葱よりも青葱の方が香りが強く、逆に青葱よりも白葱の方がまろやかな風味を表していました。香り自体は相当強いのですが、蕎麦切りの蕎麦風味も強いため、蕎麦切りを負かすことはありません。

蕎麦切りの蕎麦感が優秀なため薬味なしでも十分に満足できますが、薬味はお好みで食されるのがよいでしょう。

------ 蕎麦湯 --------------------

ストレート型蕎麦湯です。開店直後の蕎麦湯であり、かつストレートでもあるのに、割りと粘度に富む蕎麦湯です。見た目も純然な白色で、蕎麦の野生感が閉じ込められた雰囲気を醸し出していました。口にすると、見たままの舌触り、香り、喉越しがありました。蕎麦つゆとの相性も抜群と言い切ってもいいでしょう。

 

 

  鴨つけ蕎麦

鴨つけ蕎麦

------ 蕎麦切り ------------------

こちらも使用されている蕎麦の品種等訊いたのですが、先程の生粉打ちの際の品種とごちゃまぜになってしまいはっきり覚えていない(笑)のですが、鴨つけ蕎麦用の蕎麦切りも数種ブレンドで二八で打たれてているそうです。

やはり口にして驚いたのは、そのコシ、弾力、歯応え。当たり前と言えば当たり前ですが生粉打ちよりも二八の方がそれらの感覚は強いです。強い、と言うかかなり強烈な食感でした。生粉打ちと食べ比べてみるとすぐに分かる香りも特徴的でした。蕎麦の香りに加え、明確に上質な小麦の香りも感じ取ることができました。

------ 鴨汁 ----------------------

鴨肉5きれ、長葱4つが浮かぶ鴨汁です。そしてかなり濃厚。初口は「うわ、濃い~」と一瞬躊躇するぐらいですが、結局最後まで飲み干してしまいました。後で喉が乾きましたが… まあ本来これぐらい濃厚な方が鴨汁としてはありがたいんですけどね。

ただ単に濃いのではありません。鴨肉脂と葱風味、ベースの蕎麦つゆがギュッと圧縮されたような印象です。当然味わいも喜びもも深すぎます。

冷たい蕎麦切りを熱々の鴨汁に瞬間的にくぐらせて、半敦盛感を鴨肉と汁で堪能する。こんな素晴らしい経験はなかなかできません。全ての素材が優秀だからこそ成せる技・成せる一品だと感じました。

 

そうそう、予約云々のお話(後述③)です。
このお店では、受注の順に蕎麦を提供されています。またその段取りに加え、一皿一皿ごとに蕎麦を完成させていかれているようです。つまり、非常に丁寧に作られているため一品一品に一定の提供時間を要します。例えば4人グループで食べに来て、4人とも同じメニューを注文すると、何となく一般的には4人分揃って同時着弾という流れが多いと思いますが、かかかびさんは、4人グループであって全員同じメニューを注文しても、一人ずつ、一品ずつ提供されるということです。また席数はおそらく全席20席は超え、それを仲居である店主の奥様が概ね一人で切り盛りされています(店主さんも要所要所で奥様を手伝っていらっしゃいます)。

  1. 対応席数
  2. 料理の提供方法
  3. 実質2名で切り盛りされている状況

を総合的に判断すると注文してから提供までの時間は物理的にかかってしまいますよね。

こういったポリシーと状況のため、必然的に客一組が要する店の滞在時間が長くなります。そのため予約なしでこの店に訪問すると、場合によっては相当な時間を待つことになるか、蕎麦の残量次第ではせかっく訪問したのに蕎麦にありつけない可能性も高まってしまいます。これが「この店に訪問する際は、事前予約するのがベスト」である理由です。

名刺です。
前日までに予約して欲しい旨記載があります。
店主さんのお名前は一応削除しています。

予約をしておくと店主さんもその日に作る量やメニューが前もってわかるので、一品一品作るにしても段取り良く、ある程度同時並行で作ることができるのでしょう。この中に予約なしの一見さんが来ると段取り狂っちゃいますよねそりゃ(^^ゞ でも店主さんは一見さんだからといって決して無碍にはしません。時間はかかるけど待ってもらえればお受け入れしてもらえます、蕎麦がなくならない限りは。

訪問の際は必ず予約してからいくべきお店です。お店も前日までの事前予約を推奨されています。予約は電話でね!

店主さんは一瞬強面に見えますが、お話すると快活に色々と蕎麦もろもろの話を親切に教えて頂けます。奥様も物腰柔らかいお人ですが明朗なイメージのある方です。お二人共手に手を取って蕎麦店を回転させている様子がすぐにわかります。お人柄に惹かれますね。お店の考えるポリシーと老夫婦手に手を取りあう姿、一つの大きなカタチがこのお店には存在します。やっぱり「職人」を感じざるを得ません。

 

ではお店へのアクセスと駐車事情のお話です。ちょっと記事量多いですよ(^^ゞ
土地柄、非常にアクセスしにくい場所に店舗の駐車場があります。駐車可能台数は7台です。 (後述②)最もアクセスし易い方法は、県道2号線から伊賀コリドールロードに入り、道路左側に所々あるお店の駐車場案内板の指示に従って進行してください。これが最良のアクセス方法です。

画像①
最良のアクセス方法
赤線ルートの起点が、下の画像の位置になります。

画像②
この目印の丁字路を曲がってください。
曲がって進んでいくと小川と橋が見えてくるので、

画像③
その橋を超え、すぐに左折します。
そのまま進むと突き当たりますので、

画像④
突き当たった丁字路を左折します。

画像⑤
また小川と橋が見えてくるので、橋を超えてすぐ左側に駐車場があります。

このアクセスルートなら、大抵のクルマが然程難なく通行可能です。大型ミニバン、大型セダンも十分に通行できます。駐車場までに通過する2箇所の曲がり角だけは慎重に通行してください。

余談(後述①)ですが、本日いか様は、店舗南西側約200mのところに三叉路があって(画像①の左下付近)そこを北上し鳥坂神社の前を通って店舗駐車場にアクセスしようとしましたが、店舗駐車場手前の小さな橋のところの小さな丁字路(画像⑤)を右折(画像⑤の右側の道路から見て)することができませんでした。ここを渡れるのは恐らく軽自動車ぐらいと思います。乗用車やミニバンでも根性で行けないこともないですが、相当な運転技術力を求められてしまいますので、やめておく方が無難です。いか様的には運転技術には相当な経験と技量はあるのですがそれでも無理でした。(でも何故か帰路は曲がれたんですよね😅)

今回いか様は一旦この丁字路を(画像⑤の右側の道路から見て)左折し直して駐車場とは反対方向に少し進むと、また小さな丁字路(画像④)が現れるので、ここで切り替えしてようやく駐車場までたどり着くことができました。もし鳥坂神社経由で来てしまった場合は、この方法でしかアクセスできません。いずれにせよかなりの運転技術が求められるので、素直に最良のアクセス方法通りにアクセスすることを強く推奨します。

なおgoogleマップストリートビューを確認すると

画像⑥

ストビュー撮影カーが通った道が青線になって表示されていて、「なんだ、通れんじゃんか」と思われるかもしれませんが、画像⑥の赤線で示している番号のルートは実際通れないものと思っていてください。赤丸①のルートは本日いか様が通ったルートで、このルートの難易度は上述の通りです。赤丸①~④のルートは軽自動車ぐらいなら通行できると思われますが、道路幅員がかなり狭小であることと、周辺住民の生活路でもあるので、リスク回避のため通行は控えてください。

で、ようやく辿り着いた駐車場がここです。

案外広くて、7台駐車可能です。苦労して辿り着いたのでなんかとても広く見えますw で、ここから先は

このとおりですね。
我ながらこの、店までのアクセス説明については完璧に記事表現できたかと思いますw

 

色んな難関を乗り越え辿り着いたお店の蕎麦は、普段よりその質を何倍にも向上させる気がします(^^ゞ 是非また、予約して行きたいと思います。

 

「我流菴かかかび」主観的評価
★★★★★★★★☆☆
(完璧に近いレベルの蕎麦店)

 


www.youtube.com

 

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