訪問日:令和5年4月15日(土) 11:15
天 候:雨
気 温:13℃
湿 度:87%
URL:http://yoshinoan.jp/
電 話:0746-47-2587
所在地:奈良県吉野郡東吉野村木津川601
https://goo.gl/maps/j157YBKP9t1kfauF7
よしの庵さんも前回の我流菴かかかびさんと同じく、過去6年前に一度訪問していましたが、その際は予約無し訪問だったため食事ができず。リベンジ果たすべく今回は事前に予約して訪問しました。人気店なのか他府県ナンバーの車がひっきりなしにやって来ます。この勢いだと確かに事前予約は必要ですね。調べてみると、どうやらよしの庵さん2017年の「ミシュランガイド奈良2017特別版」(クラブミシュラン限定web特別版・書籍発刊なし)にて「わざわざ訪ねたい飲食店」(ミシュランプレートのこと?)として掲載されていたようで、これが人気店になったきっかけの一つの要因なのかな?と勝手に推測しています。なお現在は、新型コロナウイルス感染症蔓延予防対策もあって時間別完全予約制となっています。当日対応可能らしいですが、事前に電話(予約)連絡は必要です。詳しくはお店のwebをご確認ください。
ところで。
いか様は蕎麦食(蕎麦食に限らず)するにあたり、ミシュランガイド他一切の美食権威な情報及び巷の口コミ情報については、一切信用・信頼・参考にしないことをポリシーにしています(過去に宣言してます)。何故かって?だってミシュラン等の人の舌と自分の舌は違うから、自分の舌は他人の舌じゃないから。ただそれだけです。
あ、このネタは蕎麦探訪記で書くようなことじゃないのでいずれまた、おいおい別の形で記事にしてみてもいいかな。今回はやめておきます。
閑話休題。
とにかく前日に予約したので、今回ようやくリベンジが果たせそうです。
場所柄けっこうアクセスし難い、というか個人的距離感ではそうそう簡単に来れる場所でもないので、わざわざ来て店に入れないというのは致命傷。特に人気のある店なら尚更で、予約しておかないと怖くてとても訪問できませんw 今回は確実に大丈夫なので安心して訪問することができました。
さあ店内に入りましょう。
シンプルながら味のある暖簾をくぐって…
う”っ、いきなりぼやけた画像ですいませんm(_ _)m💦 これしか撮ってなかったんです。カメラの自動設定でシャッター速度が遅くなっていたようです。そんなに薄暗い雰囲気でもなかったんですけどね(^^ゞ
とにかくお店の中はこんな雰囲気でした。他にもスペースがあったので全容じゃありませんけど、雰囲気が伝わることを祈ります。
古民家活用形の店舗で、縁側も客席としてご活用されていらっしゃるようですね。縁側の席は2~3人席なので、お一人様でも安心です。今回も母ちゃん連れての蕎麦探訪なので、縁側シートはぴったりです。なお全容としては4人以上のお座敷席も含めて、余裕で20席以上はありそうです。想定手計算だと多分24席ぐらいかな。
写真はボケボケですが、さりとて、
縁側席の窓越しから見る庭の風景もなかなか…
下段左側の写真に写ってる木は多分桜っぽいので春先に来たらきっと見事に咲き誇る桜を見ながら食事ができるんでしょう(^^) 今日は今日で雨天ですが、雨音のする山間の雰囲気あってこれもまた良し。
さて、手渡されたメニューがあるので今日の一品(二品ですけどね実際)を考えましょう。
初めてのお店では必ず原点的メニューを頼むのがいか様蕎麦探訪の習わしなので、今回はまず「もりそば」を大盛りで、そして二品目は「おろしそば」を注文することにしました。お店の方に尋ねたら、おろしは辛味大根らしいのでこれはいっとかないと(^^ゞ
で、我が母ちゃんは、
「本日の変わりご飯セット」を注文。蕎麦の他に、黒米入り炊き込みご飯、鴨ロース、わけぎのぬた和えが付いてセットになっています。ちなみに先に言っちゃいますけど、このセット、かなり優秀でした。特にいか様のように蕎麦を命懸けで食べる(笑)ような方でなければ、このセットメニューにハマるかも知れませんね。
ま、ワーワー言うとりますが今回初の食事が叶うことになりました。窓越しの日本の山間原風景を眺めながら静かに着弾を待ちましょう。→はい着弾ですw
もりそば(大盛り) |
------ 蕎麦切り ------------------
お店のウェブサイトにも記載があるように、そしてお店にて直接確認もしましたが、平時はこの大野産と同じく福井県の丸岡産を使用されているとのことですが、今日の蕎麦は福井県大野産の蕎麦を使用されているとのことです。これを丸抜き外一九で打たれています。灰白色で星飛びは殆どありません。やや細目のカットで程よくエッジがあります。水切りはほんのり水分が残っている状態です。
口当たりは水切りの様子からも分かるようにツルツルし、スルッと唇を通過していきます。咀嚼を始めると、少し強めのコシ力を感じます。そのまま咀嚼しモチモチ感に変遷します。蕎麦は大野産とのことですが、香りはほんのり仄かに漂う程度です。以前別店で大野在来の田舎を食したことがありますが、その時は強烈で野生的な蕎麦の香りを感じましたが今回は非常に大人しい印象です。恐らくですが蕎麦粉の番手の問題で、よしの庵さんの蕎麦切りを見る限り前述の通り灰白色で星飛びの殆どない蕎麦切りだったので、二番粉をメインに使用されているからではないか?と推察しています。純白でもないので純然な更科粉でもないと思うのと、微量に星飛びがあることを考慮して一・二番粉(二番粉多め)の混合粉かな?と考えます。一・二番粉だと見た目は美しい分、香り要素は控えめになるもので(^^ゞ あ、これ完全ないか様の推測ですからね、ここまでお店の方に訊いたわけじゃないので。
余談ですが一般的に「大野産」と聞けば「じゃあ在来種だねっ(o^-')b」と思っちゃうのが必定なんですが、大野の蕎麦は全て在来種とは一概に言えないとは思うんです。だって大野産=100%在来種、っていうのもなんか不自然じゃないです?もしかして大野でも何らかの改良種とか栽培してるかも知れないじゃないですか。
という疑問を今流行りのチャットAI(BingチャットAI)で尋ねてみたら、以下のような回答が得られました。
Q.福井県大野市の蕎麦で大野在来という在来品種がありますが、大野市では在来品種のみの蕎麦しかないのでしょうか。改良品種の栽培もあったりするのでしょうか。
A.福井県大野市の蕎麦には「在来種」と呼ばれる固有の種(系統)があり、大野市にも「大野在来種」が受け継がれています[1][2]。在来種は、その土地に古くからある品種で、風味や香りが豊かであることが特徴です。福井県内において有数のソバの産地である大野市においても古くから「大野在来種」が受け継がれており、小粒ながら風味豊かな「大野在来種」そば通も唸らせる品質の高いソバです[2][3]。
改良品種の栽培については、検索した限りでは情報を見つけることができませんでした[1]。
ご参考までに、福井県内には数多くのそば産地が存在し、ソバ生産者の全てが「福井在来種」という昔からこの土地で栽培されてる品種を栽培している全国で唯一無二の在来種王国です。
[1] 大野在来そばパンフレット
[2] 福井県大野市公式ホームページ
[3] 【(動画)大野在来そば-今に伝える古の種】にて、石臼製粉のプロから見る奥越大野在来種についてお話しました。
鵜呑みにしていいのかどうかわかりませんが、検索結果を見る限りではなんとなく大野の蕎麦はまあ全部在来種と思ってていいんじゃない?という印象ですね。てかこの結果は元々↑でいか様が言ってた疑念と同じような結果ですけどw まあこんな風に要約概要をうまく文書にして結果を出すAIの能力も中々凄いとは思いますな。
ちなみに[3]のリンク先にある「カガセイフン」さん、福井の蕎麦について調べると必ずと言っていいほど検索結果に出てきます。福井の蕎麦の製粉業界事情までは流石に知りませんが、カガセイフンさんかなり福井の蕎麦を統べていらっしゃる(は言い過ぎw)ような印象ですね。サイトに掲載のある蕎麦の情報・知識など目からウロコ状態です。いか様もいつも勉強させてもらってますm(_ _)m
余談が長くなりましたので話をもとに戻して。
今日の蕎麦は、仄かに漂う蕎麦の収穫の香り(イメージです)を楽しみながら、グイグイと食べ進めていく心地良さは十分に感じられました。洗練感も豊富でしたしね。但し外一九までしてこだわりを持って打たれる蕎麦、このような風味印象でしたので可能なら挽きぐるみを使われる方がもっと蕎麦らしい蕎麦ismを表現できていたのかもしれません。
------ 蕎麦つゆ ------------------
出汁とかえしは一定の一体感はありますが、出汁の風味が強く勝る蕎麦つゆでした。鰹出汁の風味が前面に押し出され強く鼻腔を刺激します。勿論心地よい出汁風味です。
塩梅は甘くもなく辛くもなく程よい味わいで、濃度も濃厚とあっさりの丁度真ん中にあります。非常に中庸点に位置している蕎麦つゆだと感じました。これで鰹風味が少し控えられれば、完全など真ん中、非常に基準的な蕎麦つゆだったのではないかと思われます。
出汁風味勝る蕎麦つゆは、今日の蕎麦きりととてもよくマッチします。食べていて、熟した夫婦関係のような印象を覚えました。
------ 薬味 ----------------------
青葱と山葵の二種。
青葱は風味豊かで、食感もシャキシャキとしています。蕎麦きりの風味をいい意味で負かしています。今日の蕎麦きりとは相性が良いと思います。
山葵は柔らかい辛さで瑞々しい印象です。不快感全くなく、爽やかに辛味を楽しむことが出来ます。
------ 蕎麦湯 --------------------
恐らくストレート型の蕎麦湯。粘度豊富でトロットロ、香りも豊かですね。蕎麦食を締めくくるのに感動を上書きして印象深い蕎麦湯でした。ごく微量に蕎麦粉も入ってるような気がしますが多分気のせいでしょう、粉感はほとんど感じなかったのが口にしての印象だったので… なんだろう、蕎麦を打つ際の蕎麦の打ち粉とかの影響かも知れませんが、打ち粉だと粘りが少ないのでこんなにトロトロになることも考えにくいし(いや、なるかも知れない…)、うーん??? やっぱり大野の蕎麦本来の能力かなぁ…すいません、ちょっとわかりません💦なかなか考えさせられる蕎麦湯でした。
まあいか様の悪い癖で、蕎麦湯を口にする際ほぼ毎回蕎麦湯のみでの舌調べをせずに、早く飲みたいという欲望に負けていきなり蕎麦つゆに蕎麦湯を入れて口にするもんで、蕎麦湯自体の素性って確認しないことが多いんですよね~、蕎麦湯だけを移す器がその場の自分の食器類に殆ど残ってないので蕎麦湯のみ舌調べできない、というのも理由の一つなんですが(^^ゞ ちょっと反省します。
続きまして、
おろしそば |
------ 蕎麦切り ------------------
上記(もりそば)同様です。
------ 蕎麦つゆ&おろし ----------
またちょっと画像がぼやけてますが…(^^ゞ
大根は辛味大根を使用。辛味大根と言っても辛すぎず、爽快なレベルの辛味がありました。辛いのが苦手な方はこれでも辛いと感じられるかもしれませんが、辛口嗜好な方には辛味は物足りない印象です。辛味大根としては普遍的で一般に受け入れられやすいレベルの辛さだと思います。しかし、今回のような季節であっても大根の風味は抜群にありました。
蕎麦つゆは蕎麦つゆを薄目仕立てにされたものを使用します。蕎麦きりの上に盛られた辛味大根おろしを中心に、螺旋円を描くように蕎麦つゆを回し入れていきます。塩梅調整のため少しづつ蕎麦つゆを入れてみましたが、結果的には提供された蕎麦つゆを全て使用してはじめて丁度いい塩梅になるかと思います。
なお母ちゃんがお食事した「本日の変わりご飯セット」、少しおすそ分け頂きご飯等食べさせて頂きましたが、満足感がかなり高く得られそうです。蕎麦はもとより、見事な出汁味加減の炊き込みご飯に、肉汁の味がずっと余韻に残る鴨ロースの洗練感、素材感・田舎感豊富な分葱のぬた和え。味の変化幅が豊かにあります。とっても印象深いセットメニューだったと思います。
さて、まだ母ちゃんが食事中なので、
徳利を使って写真撮って食事終えるのを待ってます。数分後に終わりましたので、さっさと帰ることにしましょう。次の時間枠の予約客がどんどんやって来ますし… では!\(^o^)/~~~
では恒例の駐車事情について。
駐車できそうなスペースは↑の画像の通りAとBのポイントがありますが、恐らくですけどBは多分お店の方々専用の駐車スペースかもしれません。これは確認したわけではないので自信はないんですが、そう考えたほうが自然ですので…
では実際の訪問客用としてのスペースは↓のストビューのようにAのみと言うことになりますが、駐車用の区切り線がしっかりとあるスペースとしての駐車可能台数は9台(A枠内の東側に5台、西側に4台です)になります。
Aの西側の道路沿いに若干広いエリアがあるんですが、ここに停めてもいいとするのならば1台は追加で駐車可能なので合計10台となりそうですが、追加の場所はどうあがいても道路上にはみ出しての駐車となるので公的にはここに停めれないと思います。どうしても停めざるを得ない事情があるようなら、そこはもう自己責任の世界ですね。まあ駐車場のキャパを超えて駐車せざるを得ない場合は、お店の方と相談してお店の方の指示を伺うのが一番だと思います。
と、言うわけで、
人気があって来訪者もひっきりなしにやってくるこのお店。アクセス的にも奈良県の山間部にあり自動車以外での来訪手段がない場所ですので、近隣の方を除いてわざわざやって来てお店に入れないでは泣くに泣けません。よしの庵さんに行きたいと思われた場合は、前日までの予約をしての訪問をお勧めします。たまに予約なしでも入店できる時もあるようですが、それは確実な方法ではありませんので推奨はできません。運任せですもんねそれ。
でも確実に入店できる安心感さえあれば、蕎麦食はもちろんのこと、周辺の環境・景観や空気感を安心して楽しめるのでムードが盛り上がることは間違いないでしょう。
では良き蕎麦ライフを!\(^o^)/
「手打ち蕎麦よしの庵」主観的評価
★★★★★★☆☆☆☆
(本格的蕎麦店として標準レベル以上)
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