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このブログでは、関西・近畿とその隣接域を主体に、主に車中泊キャンプの様子や野外活動にまつわること、趣味の蕎麦食べ歩きや愛車・クルマのことについて綴っていきます。

【蕎麦探訪記 No.113】そば松尾

そば松尾
三重県伊賀市千歳226-2

訪問日:令和5年11月11日(土) 10:45
天 候:晴れ時々曇り
気 温:9℃
湿 度:67%
URL:https://sobamatsuo.crayonsite.net/
電 話:0595-22-0546
所在地:三重県伊賀市千歳226-2

https://maps.app.goo.gl/DsszPwth8emGoiPF7

 

あらかじめ店の情報を下調べしてみたら、このお店結構な人気店のようでかなりの混雑が予想されました。調べといてよかった(^^) 人気のある理由は何でしょう、恐らく「生粉打ち専門」、「比較的料金が安い」、「メニューがそこそこ豊富」、「量が多い」といったところでしょうか?まあとにかくすごく人が集まる店のようです。

ところが更に調べてみると、松尾の店主さんは信州戸隠の超名店「うずら家」で長年修行されていたことと、三重県にはローカル蕎麦系統のようなものがあって(言うたら前回の蕎麦探訪でもちょっと触れた翁系みたいなもの)

の3つが主体になっているイメージで、松尾で修行をしたお弟子さんが店を暖簾分けしてもらい、三重県、奈良県、京都府で5軒蕎麦店を営まれ系統の裾野が広まっていったようです。つまり「そば松尾」さんが松尾系の総本山にあたるということになります。そうか…こんな背景があったのか…
つまり今のところ5人のお弟子さんの店があるってことですね。この5軒って一体どの店だろう?と思ってちょっと調べてみたら、

まではわかりましたが、あと1軒がわからない…誰か知ってる人いたら教えてくださいm(_ _)m あ、でもそば松尾さんを入れると5軒になるのか…でも弟子さん5人、って話だからもう1軒あるはずよね?

ま、とにかく単に生粉打ちだとか量が多いとか安いから人気店になった、ということではなく、本質そのものの店だから、ということが十分に理解できました。人が集まりすぎる店にはこの上なくうんざりしますが、こういった本質の店なら十分以上行く価値はあります。混雑は仕方ないので辛抱しましょう(^^ゞ

店の開店時刻は11:30ですがこういった事情で混み合うことが予測されたため、念のため10:45頃到着。既に1組が待機中で、店の入口前にある順番待ち表を見ると、

いか様を入れて6組が待っている状況になっており、うち4組は事前予約のようでした。しかし今回はお陰様ですぐに入店することができました。順番待ちや予約については店の公式webに要領の記載があるので、まずはそれを確認しておく方がいいでしょう。

開店時刻の45分前10:45に着いて、5分後にはもうこの有様です。
更に5分後には第一駐車場はほぼ満車になっていました( ̄□ ̄;)!!
分単位でクルマがじゃんじゃんやって来ます。

到着後、矢継ぎ早に次から次へと車での来訪が続き、開店時刻直前には店前のメイン駐車場は満車になっていました。他府県ナンバーが多い印象で、なかには富士山方面のナンバーのクルマもありました。すげえなおい💦
なお満車になってもすぐ隣に第2駐車場があるので駐車難民になることはないと思いますが、とにかく事前予約をするかもしくは相当早い時間に到着して順番待ち表に記入をしておかないと、確実に1~2回転は待たないといけませんので十分に注意することが必要です。

ちなみに予約に関することの詳細は松尾さんの公式webにきっちり記載があるので、訪問時はその注意詳細を的確に把握して実行する方がいいですね。予約に関する注意点は、席の予約ではなく「順番待ちの予約」であることです。これは事前に予約の電話をすると、当日の順番待ち表に予約した順に予約者の名前を店の方が書いてくれるシステムです。つまり予約の電話とは言え当日は予約順に待たないといけません。なお予約無しで訪問する場合は、この順番待ち予約の方々の後に名前を書くことになります。なので予約なしで行く場合はとにかく早く店に着いておく、可能なら開店の1時間前には到着しておいて真っ先に順番待ち表に名前を書いておくことが重要です。

店の入口はこんな感じですが、

ちょうど↑の写真の真ん中あたりに順番待ち表が設置されています。ちょっと拡大してみましょう。

見た感じ、末尾の方まで名前が書かれている形跡がありますね。順番待ちの人がいかに多いのかがよくわかります。この勢いはマジで凄い。

ま、上述の通り今回は10:45に到着しておいたおかげで幸い1クール目で店内に入ることが出来ました。入口で店員さんがいか様の名前を呼んでいます。じゃあ早速中に入りましょう。

店内はやや薄暗いものの立体感、奥行きを感じる設えになっており窮屈感はあまりありませんが、何せ人が多いのでその分圧迫感はあります。座席は、2人掛けテーブルが2席、4人掛けテーブルが2席、4人座敷が2つ、カウンターに4人座れるようで24席分は目視確認できましたが、公式情報を見ると席数は30席分あるようで、もしかすると他にも座席があるのかもしれません。若しくはコロナ対応で席数を削減したのかも。

ちなみに写真はありませんが、店の奥の座敷席の対面に打ち場がありました。ちょっと珍しく、座って(胡座をかいて)蕎麦を打つスタイルのようでした。打ってるとこ見たかった… 打ち場には重たそうな蕎麦粉袋らしき袋があったので、蕎麦は店挽きではなく製粉仕入れなのでしょう。ま、これだけの人数を捌くのに自店で石臼挽きするのは流石に困難かな。これもちょっと調べてみると(以降、間違ってたらごめんなさい)、非常に根拠の薄いところの小さな情報からの推測ですが恐らく長野県の安曇野か佐久穂の農協仕入れかな…と推理しました。日常使われている蕎麦もやはり長野県の戸隠産、黒姫産、美麻産のものが多いようです。

閑話休題、一発目に入店できた喜びは横に置いておいて素早く注文していきましょう。こういった混雑店ではとにかく全ての手順をスムースにスマートに行うことが大切です。

ちなみに松尾さんでは自店敷地内のどこかにある井戸から水を汲み上げて、料理から皿洗いまですべてその水を使用されているそうです。

実は事前にメニューは確認してあったので注文は秒速で行いました。同行の母ちゃんにもあらかじめメニューを見せておいたのでこちらも問題なし!というわけで今回は↑のメニューからざるそば大盛り、そして

こっちのメニューからは天ぷら皿を注文しました。母ちゃんはお気に入りのにしんそばをご注文です。ちなみに天ぷら皿は母ちゃんとシェアします。

で、ふと席の横を見ると、

こんなのがありました。どう見ても蕎麦湯欲しい時に押すチャイムですね。こんなシステム初めて見ました。バスにでも乗ったのかと…そんなことを

この蕎麦茶飲みながら考えて一人心のなかでクスクス笑いながら蕎麦を待ってましたw

注文してからおよそ30分、待ちに待った蕎麦の到着です!\(^o^)/

 

  ざるそば(大盛り)

ざるそば(大盛り)

------ 蕎麦切り ------------------

まず、何よりも器が美しい。しっとり落ち着いた和を感じさせ、蕎麦や料理との相性がとても素晴らしい。伊賀焼を多く使われているそうです。器が美しいと料理の味が3割増に美味しく感じられます。

蕎麦について店の方に伺うと、本日は戸隠と北海道某所産等の蕎麦をブレンドしたものを使用しているとのこと。言い忘れていましたが店の蕎麦は全て生粉打ちです。今回は大盛りの注文ですが、この大盛りの量は凄い。

並盛からの換算だと2.5人前ぐらいあるのでは?と思えるほどの量がありました。食べごたえ十二分です。腹ペコで行ったのにも関わらず、量だけの話ですが割と頑張って食べた気になってました。本当にリアルな大盛りですねこれ。

唇通過の感触は程よくツルっとしていますが、決して水切り不十分という訳ではありません。水切りは非常に適切でした。なのでこの蕎麦切りは提供されたらすぐに食べ進めて行かないと蕎麦切り同士がひっつきはじめます。これは水切りが適切な証拠です。

咀嚼をはじめると、途端に豊穣な蕎麦の香りが漂い始めます。産地や時期を考慮すると本日の蕎麦はほぼ間違いなく新蕎麦だと思われ、それも含めてとにかく蕎麦の香りが非常に強く鋭く感じ取ることができました。

「蕎麦の香りがしない」等の口コミが散見されますが、これは蕎麦の産地品種や収穫時期、収穫時の蕎麦の品質の良し悪しが大いに影響するので年中いつでも蕎麦の香りが担保されているとは限りません。勿論物足りないと感じる時もあるかもしれませんが、それはこのような事情によるものです。特にこのお店のように、いや大体の蕎麦店では年で蕎麦の産地品種が異なる仕入れをされている場合や蕎麦の美味い時期差などで味が変わる要素はいくつもあるので、味云々香り云々などたった1回の訪問でわかりようがありませんし、わかるはずもありません。

えっと話は逸れましたが(笑)この蕎麦切り、同時に新鮮な甘みも感じられました。噛むと滲み出る甘みのパンチ力凄かったです。寒冷地方で育った蕎麦の素性を垣間見ることができました。

そして食感ですが、生粉打ちらしくやや柔らかめのコシで歯を弾き返しそうな勢いの弾力はありませんが、モチモチ感は非常に豊富で喉越しで食すのではなくモグモグ食べて楽しむタイプの蕎麦切りだと感じました。

生粉打ちの魅力が確かに感じ取れる、総合的に優秀な蕎麦切りだと思います。今回の訪問では(店の方の見解によると)元の蕎麦のクオリティが高く、かつ新蕎麦だという好条件が重なったことが功を奏しました。本当に幸運でした。

------ 蕎麦つゆ ------------------

少し甘味成分も感じられますが濃厚やや辛口の塩梅です。出汁とかえしの一体感が十分に感じられ、もはや一つの液体のような様態です。しかしながらかえしの醤油が優れものなのか、素材の大豆感を感じ取ることもできました。この店に限らず伊賀上野・名張エリアの蕎麦つゆは平均的に関東風の蕎麦つゆの店が多いような気がしますが、この店も漏れなくそのような印象を覚えました。

蕎麦切りも沢山、(後述しますが)蕎麦湯も沢山、ということで実は蕎麦つゆも沢山頂けます。

味のある伊賀焼?の蕎麦つゆさしに予備の蕎麦つゆまでついてきました。どんだけ~、って感じです本当に( ̄□ ̄;)!! とにかく「ざるそば」を堪能するにほぼ全てが十分すぎるぐらいの量で提供されます。

------ 薬味 ----------------------

しかし薬味は一般的な量でした(笑)
薬味は葱、おろし、山葵の3種。葱は青い部分と白い部分が程よく散りばめられ、口にするとシャキシャキ食感で香りも上質。程よく鼻腔を駆け抜けていきます。香りは強すぎないので本日の蕎麦切りの名脇役となっていました。

おろしは細かく擦り下ろされ、心地よい大根風味を堪能することができます。山葵は予想以上にピリッとした辛味が感じられ、心地よい辛味を感じ取ることができます。こちらも辛すぎないので身構えする必要は全くありませんが、辛いのが苦手な方にはかなり辛い部類に入るのかもしれません。

------ 蕎麦湯 --------------------

まず驚いたのがその量。今回は母ちゃんと二人で訪問しましたが、この器に入ってる蕎麦湯だけでゆうに二人分以上、蕎麦猪口で例えるなら5杯分以上の蕎麦湯が入っていて二人で飲みきれないぐらいの多さがありました。蕎麦切りも蕎麦つゆも蕎麦湯もとにかく量のパンチ力が凄すぎ!w

そしてこの蕎麦湯には更に驚きを禁じえないことが。混ぜもののないストレート型の蕎麦湯ですが、過去100店以上の蕎麦店を巡ってきましたがこの店の蕎麦湯は別格のように濃厚で香りが非常に強い。感覚的印象ですが蕎麦切りで感じた蕎麦風味の2倍以上の風味が漂います。しかも通常白濁とするストレート型蕎麦湯にも限らず、

その色合いは濃いベージュ色をしていました。なんかもう、これストレート型じゃなくて蕎麦粉型じゃないの?と未だに考え込んでしまいますが、蕎麦粉型特有の細かなザラザラ感が一切なかったので、やっぱりストレート型なんだと思うんです、う、うん…💦

とにかく、質と量がハイレベル過ぎのこの蕎麦湯は本当に凄いと思います。間違いなくダントツ過去一番のインパクトです。

------ 天ぷら皿 ------------------

店のメニューには「天ざる」がありませんが、同じように食すにはざるそばと別にこの天ぷら皿を注文する必要があります。

本日のタネは、エビ、かぼちゃ、ピーマン、なす、かき揚げでした。大根おろしと天つゆがついてきます。素材それぞれ申し分なく、また衣もカリッとした仕上げになっていて天ぷらとしては何も言うことはありません。唯一、天ぷらは天つゆではなく塩の方がよかったかも…と感じる程度でした。

 

タイミング・時期が良かったのと、店の方から聞いた話では現時点のこの蕎麦については元の蕎麦のクオリティが非常に高いものが収穫されてるとのことで、まさにそのクオリティを余すことなく、本日は十分な満足感を得ることができました。この上なく幸運です。
また再訪したいのですが、とにかく混雑加減が凄いのでおいそれと近寄りがたいのですが、またいつかそのような問題をクリアしてこのお店に来るようにしたいと思います。

 

では恒例の駐車事情のお話です。

ここまで、結構駐車事情についてお話してきたかと思いますが、店前の第一駐車場にはおよそ10台駐車可能ですがすぐに満車になります。

しかし隣接して真横に第二駐車場もあり、そこは少なく見積っても20台程度は駐車できそうです。↓

このような状況なのでまず駐車難民にはならないと思われます。余談ですが店の付近にコインパーキング等の一時貸し駐車場はありません。このお店に訪れる際は、このお店の駐車場に駐車することを前提に訪問した方がいいでしょう。

 

 

「そば松尾」主観的評価
★★★★★★★★☆☆
(完璧に近いレベルの蕎麦店)

 


https://youtu.be/Op20tg-aFzo?si=TodFcHtQl913UPoK

 

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