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このブログでは、関西・近畿とその隣接域を主体に、主に車中泊キャンプの様子や野外活動にまつわること、趣味の蕎麦食べ歩きや愛車・クルマのことについて綴っていきます。

【蕎麦探訪記 No.105】若狭海鮮・蕎麦 すみよし

若狭海鮮・蕎麦すみよし
福井県三方上中郡若狭町三宅87-3-1

訪問日:令和5年7月2日(日) 11:15
天 候:晴れ時々曇り
気 温:27℃
湿 度:64%
URL:https://www.instagram.com/soba_sumiyoshi_musume/
電 話:0770-62-0187
所在地:福井県三方上中郡若狭町三宅87-3-1

https://goo.gl/maps/CYs3bUHYshMKkZSV8


令和4年1月14日にオープンした新しいお店です。少しだけ蕎麦店の空白地帯にできたお店の印象で、地元の方々がこぞって来店されているような印象を覚えました。開店時刻は11:30ですが、概ね15分ぐらい前から続々と来店者が押し寄せ、あっという間に駐車場が満車になってびっくり(^^ゞ 12時前には駐車難民発生していたみたいです。

すみよしさんは、「挽きたて」「打ちたて」「湯がきたて」を標榜する3たての店みたいですね。蕎麦を食べるにはあまりにも魅力的な響き💕

ところで「3たて」って、挽いたらすぐに打って、打ったらすぐに湯がいて食べる、みたいな響きですけど、実際そうじゃありません。確かに古い昔の田舎ではそういった製法で蕎麦を食べていたようですが、近代では違います。今は、

 挽きたて  挽きたての蕎麦の品質をキープするため、これは昔も今も同じ。
挽いた蕎麦はその後一定の手順を経てすぐに打つようにする。
自店に石臼や製粉機などがある場合は、「挽きたて」が成立する。
 打ちたて 

打った後にカットして蕎麦切りにするが、蕎麦切りにしてから直後
包丁下の蕎麦切りは品質が低いため、夏場で15分間、冬場で
20~30分間ぐらい置
いた方が美味くなる。(はっきりとした
理由はわかっていない。)

 湯がきたて  茹で直後の蕎麦よりも、しっかりと冷水で締めて十分に水を切る
方が美味くなる。

といった感じで必ずしも古来の3たてがよいというわけではないことがわかっています。

純粋に3たての場合だと、挽いてから提供までどれくらい時間がかかるんでしょうか?いか様は蕎麦づくりの工程を一から十まで見たことはないのではっきりわかりませんが、「挽き」工程では多分10~20分、「打ち」工程では水回しからはじまる蕎麦打ちの時間だけでも30~40分かかることに加えて寝かせ作業で最大30分必要として、合計MAX70分、「湯がき」工程では湯がきと締めと水切りで3~4分ぐらい?と想像して軽く1時間半ぐらい必要になってくるんでしょうかね?(^^ゞ

ちなみに以前「2たて」の店で蕎麦を注文した際は、注文してからだいたい30分で蕎麦が提供されました。2たての場合は恐らく「挽き」の製粉工程がない(別途なされている or 製粉済みのものを仕入れている)んでしょうね。

と、最初っから3たてを待ってると素で1.5時間、ところどころ手順の割愛簡略省略などしたとしても軽く1時間はかかるんじゃないんでしょうか。(^^ゞ いか様のように変態的に蕎麦が好きな蕎麦変態野郎はこんな時間待つの全く苦でもない(待てば待つほど美味い蕎麦が出てくると思ってるから)んですが、普通の人はしびれ切らしてイライラするんじゃないんですかね? 普段全く参考にしていない各所口コミでも、たまに覗いてみたら「出てくるのが遅すぎる」「1時間も待たされた」みたいなのをたまに見受けますが、店の人員不足とかオペレーション力の低さとかの問題を除いて注文してから提供までの時間が長いのは、こういった2たて3たてを謳う店なら至極当然なわけで。蕎麦屋で注文してからすぐに食べたいと思うんなら立ち食い蕎麦でも行けばいいのになぁと思いますけどね。

おっと余談が長くなりました、店に着いてたんだったw じゃあ店内に入りましょう。

さすがオープンして1年ぐらいのお店です。とってもきれい…💕
ちなみに写真右手の白壁の、更に右側にもテーブル席がありました。席数は、4人掛テーブル✕4、6人掛テーブル✕2、カウンター席✕6の全34席になります。

今日は知人じゃなく、いつもの新人蕎麦ラー・我が母ちゃんと一緒に来ております。では席についてオーダーしていきましょう。

すみよしさん、結構メニュー豊富であれこれ目移りしてしまいそうになるんですが、今回、メニューの中に「花巻そば」があったのを見つけちゃって… 関西・近畿圏域じゃ花巻そばってなかなかお目にかかれないレアな一品なので、これはもう注文しないわけにはいかない!ってことで迷わず一品選択しました。が、そうなるとあと一品どうする?だってメニューには辛味大根のおろしそばもあるし、これは外したくない… でもベーシックなせいろ蕎麦も外したくないし、嗚呼、一体どうすればいいのっ!笑

…と相当悩んで、悩んだ結果、花巻そばとおろしそば(辛味大根)を注文することにしました。おおー珍しくベーシックな一品を注文しない!という、今回はいか様的に少しイレギュラーなオーダーとなりました。ちなみに母ちゃんは、しれーっと普通にせいろそばをご注文です。寒がりの母ちゃんですが流石に今日は暑いw という訳でせいろそばになったんですが、今日みたいにクッソ暑い日なのにいか様は逆に温蕎麦(花巻そば)を注文するというカオスwww まあそんな時もあるでしょう(^^ゞ

 

では今回頂いた蕎麦について、少し解説してみましょう。

  花巻そば

花巻そば

------ 蕎麦切り ------------------

まず「花巻そば」がメニューにあることから非常に珍しい。真夏と言ってもいい季節ですが、汗だくになること覚悟で迷わず花巻そばを注文することにしました。でも葱乗っかってますね… まあヨシとしましょう(^^ゞ

通常は福井県大野産の蕎麦のみで蕎麦を打たれているそうですが、本日はたまたま鹿児島県某所産のいい蕎麦が入ったので、福井県大野産+鹿児島産のブレンドとのことでした。丸抜きの生粉打ちです。風味・香りは十分強くあります。コシ・弾力は一般的な生粉打ち並みですが、花巻は温蕎麦ですのでコシ・弾力は時間経過とともに弱くなっていきますがこれは仕方ありません。仕方ないんですが温蕎麦に生粉打ちかぁ… 二八の方がよかったけど(^^ゞ
喉越しは良好ですが、温つゆで加熱されている分もっちりするので咽頭通過時はモソっとした感覚を覚えます。

------ 温 つ ゆ ------------------

やや薄口仕様。鰹出汁風味がやや強い印象です。鰹の香りを強く感じたのは温つゆ使仕様だからかもしれません。ただ、口にして飲んでみて、喉の通りがよくふわあっと香りが鼻腔を抜けていく感覚を覚えました。薄口塩梅は温蕎麦にはちょうどよく、何の抵抗感もなくつゆが飲み干せます。

------ 薬味類 ------------------

まず花巻そばといえば海苔。大きな海苔が4枚、鉢を覆うかの如く乗せられています。そして温蕎麦の湯気に乗せられて、ミストサウナのようにぶわあっと海苔の磯の香りが顔全体に拭きかかってくるような印象です。これが温つゆの鰹の香りと蕎麦の風味が加わり、口にすれば、口の中から顔全体に香ばしさの嵐が吹き荒れます。

ちな余談ですが、本来花巻に使用する海苔というのは温つゆで海苔がほぐれやすいものを使用するべきなのですが、昨今そのような海苔というのはかなりの高級品になり、おいそれと使用するにも躊躇してしまいそうになるそうです。もし他店で花巻そばがメニューにあるのを見つけた場合、その値段を見てみましょう。蕎麦とつゆと海苔だけなのでなんでこんなに高いん?というような価格設定になっている場合は、きっとその海苔は花巻そばのために用意されたかなりの高級品だと思われます。

話は戻って、一方、青葱は非常にフレッシュで爽やかな香りがありました。仄かな葱の香りでしたので、この花巻そばの薬味としては名脇役を演じておりました。また天かすも付属しています。この天かすはお店で天ぷらを揚げたときにできた天かすです。油が新しいのかはたまた良質な油なのか、油臭さは全く無く天ぷらのいい香りだけを抽出したような印象を覚えさせられました。

ただ、本来花巻そばには一切薬味を加えないというのが定説。海苔の香気と温つゆでとろける海苔を、蕎麦とつゆに絡めながら啜って食べる蕎麦なのでちょっと複雑な気持ちになっちゃいました。花巻そばは、蕎麦+つゆ+海苔だけで十分です。

 

  おろしそば(辛味大根)

おろしそば(辛味大根)

------ 蕎麦切り ------------------

上記同様ですが、こちらは冷蕎麦ですので腰砕けになったりはしません。コシ・弾力は一般的な生粉打ちと同様の食感でした。

福井県の蕎麦と言えば「越前おろし蕎麦」が有名ですが、すみよしさんのおろし蕎麦は越前おろし蕎麦とはちょっと違います。蕎麦切りが丸抜きになっているのに対し、越前おろし蕎麦は三番粉あたりを使用した太めの田舎風の黒っぽい蕎麦切りです。

福井県嶺北地方と嶺南地方の2つに分けられますが、越前おろし蕎麦のメッカは主に嶺北地方。すみよしさんは嶺南地方に属する位置にある、からというわけでも無いかも知れませんが、越前おろし蕎麦とは一線を画していました。ま、お店のメニューにも越前おろし蕎麦とは書いてありませんでしたしね。

------ 蕎麦つゆ ------------------

蕎麦切りぶっかけスタイル。提供時から既に蕎麦つゆがかかっていました。できれば蕎麦つゆは自分で掛け入れる方式がよかったかな… ぶっかけスタイルなら、食べる直前に蕎麦つゆを掛け入れたいもので…

蕎麦つゆは、三種ブレンドの鰹節と三種ブレンドの醤油を使用されているそうです。そして想像以上に淡麗薄口で、出汁風味は標準的に感じ取れます。おろしそば用なので多少は薄められているものと思いますが、せいろやざるで食す際の蕎麦つゆになるとどんな感じになるんだろう… 今回はせいろ・ざる系は食していないのでわかりませんが、それでも相当軽快・爽快・すっきりした蕎麦つゆだったのではないでしょうか。

------ 薬味類 --------------------

辛味大根、青葱、花鰹、天かすの4種。

辛味大根は、辛味大根とは思えないほど辛味がなく、ノーマルな大根おろしのような印象です。辛さについては様々に個人嗜好があると思いますが、少なくともすみよしさんの辛味大根は全く辛味がありません。もっと辛さのアピールが可能な品種の選択やおろす方法の模索が必要かもしれません。

花鰹はとても新鮮。本当に花びらが宙を舞うかの如く薄く透き通るように削られています。そしてやや控えめで高貴な香りがありました。何やら非常に高級な鰹節を口にしているような気になりました。

青葱、天かすは上記同様です。

 

今回注文したのは温蕎麦の花巻と冷蕎麦のおろし蕎麦だったんですが、先に花巻を、その後におろし下さいとは伝えたものの、注文してから(花巻の)提供まで20分ぐらいだったような気がします。その後のおろし蕎麦もちょうど花巻を食べ終えたタイミングで出てきました。あり?3たてってこんなに早くできるの?( ̄_ ̄)?と、若干はてなマークが頭上をぐるぐるとしていましたがまあいいでしょう。とにかく、すみよしさんの蕎麦の大きな特徴は、素性の良い「蕎麦」。冒頭の蕎麦切りのレビューの繰り返しになりますが、主に使用されている福井県大野産(大野在来種)の蕎麦としての能力が高いため、蕎麦料理は何を食べても必ず満足できるでしょう。本当に優秀です。そして嗜好傾向の話にはなりますが、蕎麦料理は予想以上の繊細な淡麗薄味が、今の時代、逆に個性を放ちます。

…で、蕎麦食べながら実はこんなものも合間に食べてたんですけどね(^^ゞ

福井県ご当地B級グルメの「ソースカツ丼」です。かなり以前に福井県敦賀市にある「ヨーロッパ軒」ってお店ではじめてソースカツ丼食べたんですが、たまたますみよしさんのメニューにこれがあったの見つけて、ちょっと懐かしくなってこっそり注文してやりました(笑)

 

まあワーワー言うとりますけども、巷では若狭町近辺ではランチタイム難民がよく発生しているという声もあったり。そんな中ですみよしさんの存在は貴重なリソースになること間違いなし!というか現に繁盛してましたから、既に地域のオアシスというか大きな存在になっていることは我が眼で確認できました。これからもどんどん発展していくことを期待しています😄🙏

 

さて恒例の駐車事情のお話ですが、今回は至ってイージーです。だって、

お店の真ん前が駐車場ですから😅

店舗前に7台分の駐車スペースがあります。が、注意点として、開店時刻前から満車になる傾向なので来店は早めの時間の方がよいでしょう。遠方からクルマで行かれる場合は、念のため11:10過ぎには到着するようにして、駐車して待機しておくほうが良さそうです。(令和5年7月2日現在)

 

 

「若狭海鮮・蕎麦 すみよし」主観的評価
★★★★★★☆☆☆☆
(本格的蕎麦店として標準レベル以上)

 


https://youtu.be/VrBxoOgzjA4

 

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