はなや北川
訪問日：令和１年１０月１３日
天 候：晴れ時々曇り
気 温：１９℃
湿 度：６４％
ＵＲＬ：https://hanayakitagawa.wixsite.com/hanaya
電 話：０７４２−２３−５７２２
所在地：奈良県奈良市高畑町１２９１−３
https://goo.gl/maps/nTvQ6stC86u4rJgk8
台風一過の訪問です。予想以上に天気が良くなったので迷わず訪問。この店はお昼時には蕎麦、お昼過ぎからカフェに変貌しますが、今年１０月２７日を以て蕎麦の提供は終了します(カフェは継続)。奈良県下ではトップクラスの蕎麦ですが、蕎麦提供が無くなる前にせめて１回だけでも、と思い今日のよき日訪問です。
この店の蕎麦メニューは、「ざる蕎麦」のみ。また蕎麦大盛りは非対応。サイドメニューで柿の葉寿司とニシン皿はあります。よって本日はざる蕎麦と、柿の葉寿司を頂きました。
●ざる蕎麦
《蕎麦切り》
産地未確認。過去は生粉打ちの提供もあったとの事ですが現在は一九のみ。店主曰くこの比率だとこうなってしまうんです、ということでやや太切りのサイズ感です。星が沢山飛んでいます。水切りは適切で、店の照明を反射してキラキラと輝いています。(水切りが甘い、ということではありません。誤解なきよう。)
口当たりはスルスルとボソボソの中間点ぐらいの印象です。そして口に入れ噛み始めると、蕎麦の香りが強く現れはじめ鼻を抜けていきます。蕎麦の香りは柔らかな甘さを漂わせるような、田舎の秋の夕方の情景を浮かばせるような懐かしさを感じさせる香ばしさがありました。これは素晴らしい。味わいも概ね同様、この風味に相まって蕎麦自体の甘さが食べた人を気持ちよくさせることでしょう。
弾力・歯応えは申し分なく、歯と舌を楽しませてくれます。蕎麦切りがプルプルしているので、口の中で踊っているようなPOPな印象がありました。噛み続けていくともっちり感が現れ、咀嚼の始めと終わりでまた違った二重の楽しさがあります。
一言、素晴らしい蕎麦切りと言えます。
《蕎麦つゆ》
かえし、出汁のそれぞれの特徴がよく分かる蕎麦つゆです。やや辛口目に振られた塩梅で好感度は高いです。かえしの醤油風味は程よく濃厚でそれに鰹出汁が加わっていますが、前述の通りそれぞれの特徴がよくわかるように調合されているような気がします。蕎麦つゆの両輪が明確化されています。
蕎麦切りとのマッチングはベストと言えるでしょう。
《薬味》
青葱、大根おろし、山葵の３種。青葱は程よい、丁度いい風味で蕎麦切りの風味を邪魔しません。しかし蕎麦切りの香りが強いので、多目の葱と合わせても然程問題は無いでしょう。大根おろしは荒切り(荒おろし)で、舌上の食感に優れます。また風味も清涼で、爽やかながらしっかりとした大根風味が堪能できます。山葵も清涼感に優れ、かつ目を剥くほど辛いわけでもなく適度に辛さが楽しめます。山葵に至ってはそのような印象なので、量を気にすることなく気軽に合わせることができます。
《蕎麦湯》
ストレートタイプで混ぜ物はありません。が、開店直後の蕎麦湯でありながらトロトロ感が十分にあります。そして特筆すべきは、蕎麦の香りが非常に濃厚に残っており、蕎麦湯単独で口にしてもそれだけで蕎麦湯を堪能することができます。
無論蕎麦つゆと合わせて飲む訳ですが、もう、これは本当に凄い蕎麦湯と言わざるを得ません。蕎麦湯＋蕎麦つゆで、蕎麦風味については蕎麦切りを食べるよりも強烈に蕎麦感が漂います。好感度の高いストレートタイプの蕎麦湯の中では、屈指、と言うよりベストに近い蕎麦湯であると断言できます。
このように素晴らしすぎる蕎麦を出して頂ける店ですが、冒頭でもお伝えしたように今年１０月２７日で蕎麦提供は終了されるようです。人手の問題と店主さんの体力上の問題で蕎麦提供が困難になることが予想されるから、だそうです。本当に残念です。
この素晴らしい蕎麦を堪能できるのは今しかありません。
なおこの店は広域に亘る奈良公園のハイキングコースの一画付近にあり、ハイキングがてら訪問するのがひとつのスタイルだと思いますが、自家用車で訪問することもできます。店の正面に５代台分の駐車場があります。
車で訪問される場合は、お早めに訪問されることを推奨します。
「はなや北川」主観的評価
★★★★★★★★☆☆
（完璧に近いレベルの蕎麦店）
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