そば切り百夜月
訪問日:令和1年12月8日
天 候:晴れ時々曇
気 温:9℃
湿 度:63%
URL:https://blog.goo.ne.jp/momoyoduki
https://tabelog.com/nara/A2901/A290101/29000692/(食べログ内公式情報)
電 話:0742-24-5158
所在地:奈良県奈良市中筋町38
https://goo.gl/maps/V5YkfkBMNmvrpcXF8
奈良マラソンの日の訪問でした。
そんなこともつゆ知らず、現地に入ってはじめてその事実を知って近辺の混雑を恐れていましたが、予想外にも然程混雑した様子はなくスムースに現地in・outができました。恐らく時間帯によっては交通規制などで動きが取れなかったのかもしれません。
そば切り百夜月。百夜月は「ももよづき」と読みます。
観光地の駅チカ蕎麦店というだけで、色々な邪推をしつつ若干構えながらこの店を訪れてみましたが、良い意味で見事に期待を裏切られる結果となりました。今回も、概ねいつもと同様2品頂いてみました。
●ざる蕎麦(手挽き十割)
《蕎麦切り》
福井県丸岡在来、岡山県蒜山在来のブレンド新蕎麦の挽きぐるみです。手挽きは一日10食限定で大盛り対応は不可です。他のざる蕎麦メニューには、「十割」と「二八」があり、それぞれ大盛り対応は可能です。なお「二八」には、” つなぎを1~2割使用 ” と書かれていました。二八~一九を季節、天候、気温などの状況に合わせて変化させている、という理解でいいのでしょうか。
薄緑で白い甘皮がぶつぶつと混じる如何にも新蕎麦挽きぐるみと言った感じの見た目。蕎麦切りは短く太さにバラツキがある手打ち感満載の蕎麦切りです。
口当たりはゴワっと、硬めの打歯ごたえ。モチモチ感は強烈です。咀嚼していくと土壌の香りが口腔内に漂います。そして不思議と大人な感じの仄かな苦味が感じられますが、この苦味は心地よい苦味です。ちょっと珍しい感のある風味ですがとても個性的で好感度は高いです。かなり食べ応えのある蕎麦切りです。
《蕎麦つゆ》
かえしのインパクトが強い関東風の蕎麦つゆですが、醤油がキリッとしていてダラダラと醤油辛いというような印象はありません。どちらかと言うとサッパリした感じがします。
醤油の豆感が強く素材のアビリティを感じさせます。節系出汁の風味とかえしの風味が上手く合わさり一体感に優れた蕎麦つゆだと思います。
《薬味》
白葱と山葵でしたが、両者とも個性は確保しながら蕎麦切りを負かさない程度の風味力で、蕎麦切りとの相性に優れていると感じます。
《蕎麦湯》
白濁のストレートタイプの蕎麦湯。蕎麦の香りが強く残り、何も混ぜずともシンプルに風味に優れた蕎麦湯が楽しめます。
蕎麦切りと一緒に提供された藻塩を箸先にチョンとつけ舌先でペロリとしてから蕎麦湯を口にすると、蕎麦切りを食べた時と同様に蕎麦畑の土壌の香りが立ち込めます。蕎麦つゆとのマッチングにも優れ、ついつい蕎麦湯のお代わりをしてしまいそうになるぐらい蕎麦湯の魂を感じます。
●鴨汁蕎麦
《蕎麦切り》
蕎麦切りは十割の蕎麦粉に小麦粉で繋いだ二八蕎麦を使用。面白いぐらいに素材感がはっきりとしており、小麦粉の風味もしっかりと感じられます。いい小麦粉を使われているのでしょう。
《鴨汁》
鴨汁は濃厚、というより洗練されているという言葉がマッチします。悪く言えば(比較的)あっさりとし、よく言えば洗練されている、という印象です。誤解のないよう補足しておくと、決してパンチ力に乏しいということではなく、野性味というより都会的な印象があった、ということです。
鴨汁には鴨肉が5片、かなり太めの長葱がドン!と入っています。見た目のインパクトは屈指レベルです。
観光地の駅チカ蕎麦店で開店前から順番待ちのある店で、来た当初は一抹の不安がありましたがそんな不安は見事に払拭されました。在来品種も使われているし、なかなか素晴らしい蕎麦店だと思います。
ただ…自家用車では行きにくい。店舗の駐車場は無いので近隣のコインパーキング(店舗北側10数mの場所にあります)の利用必須です。自転車の場合も同様で、偶然にも店舗南側10数mの場所に公共の駐輪場があるのでそこに駐輪するとよいでしょう。店舗前の道路は幅員が狭く、駐車はおろか駐輪もご法度です。徒歩の場合は、近鉄奈良線「近鉄奈良駅」下車徒歩1分(信号待ち時間は除く)で到着するという駅チカで、徒歩で行くには何も問題はありません。
「そば切り百夜月」主観的評価
★★★★★★★★☆☆
(完璧に近いレベルの蕎麦店)
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