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このブログでは、関西・近畿とその隣接域を主体に、主に車中泊キャンプの様子や野外活動にまつわること、趣味の蕎麦食べ歩きや愛車・クルマのことについて綴っていきます。

【蕎麦探訪記 No.073】赤花そばの郷

赤花そばの郷

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訪問日:令和2年1月25日
天 候:曇り
気 温:8℃
湿 度:57%
URL:https://www.akabana-soba.net/
電 話:0796-56-0081
所在地:兵庫県豊岡市但東町赤花159−1

https://goo.gl/maps/99oXRMLbCUiRjuip9

 

開店時間が10時。今回は11時過ぎに到着。
この店のwebを見ると、この店は完全予約制とのこと。質の追求の結果、提供数に限りがあるとの理由です。ですので前々日に電話予約して訪れましたが、来てみると店内には私以外の客はいません。12時前に3組11名の来客がありましたが、これで繁忙する、というような人数ではありません。少なくとも座席数はこの数の3倍以上はあります。

季節にもよるのかも知れませんが、このような感じなら予約等不要なんじゃないでしょうか。この予約制は非常に不便です、とても気軽に行こうと思えない。

 

冒頭からいきなり苦言でしたが、しっかりと蕎麦を頂き堪能しております。それではレポートを。

頂いたメニューは「赤花そば」です。なおこの店では、「お茶」と「蕎麦湯」はセルフサービスとなっています。お茶も蕎麦湯も自分で取りに行ってください。

 

 

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赤花そば

《蕎麦切り》

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ピントがあってませんがご容赦を…m(_ _)m

地元、但東町赤花地区で収穫された蕎麦、所謂「赤花在来」と言いましょうか、全国的に見ると然程メジャーではない在来種です。所謂レア在来種です。蕎麦切りは生粉打ちです。見た目は灰白色より薄め、ところどころ星飛が確認できます。

口にすると、唇通過時はツルルという感じがします。噛み始めますが思った以上に弾力がなく、スッと噛み切れてしまう印象です。但しモチモチ感に優れ、咀嚼を続けていくと徐々に口の中で蕎麦団子ができていくような印象でした。

食感はさることながら、特筆すべきは「風味・香り」。
在来種、と言うだけでその土地その土地の豊かな個性がふんだんに織り込まれた土地特有の風味・香りがするものですが、例に漏れずこの赤花在来には他の在来種や改良種にない風味・香りがあります。これまで数々の在来品種を食してきましたが、この赤花在来は他の在来種に例を見ない個性があります。そうですね、イメージで例えるなら、「秋の夕暮れの収穫のイメージ」、「その土地の土壌の香り」、に加えて、「自生している青々とした蕎麦の根と茎の香り」、「蕎麦の花の花粉を集めるミツバチが作る蜂蜜の雰囲気」みたいなものがイメージできました。

一言で言えば、赤花在来の生命そのもの、みたいな感じでしょうか。とにかくこの品種に他の追従を許さない個性を垣間見ました。この蕎麦の素性、末恐ろしいほどに素晴らしいものでした。

 

《蕎麦つゆ》

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甘さ・辛さのほぼ中間点にあるような塩梅の蕎麦つゆ。人によっては「少し辛口かも…」と思うのかも知れません。かえしはさっぱりした印象です。濃厚過ぎほどの濃厚さはありませんが、これぐらいが丁度よいのかも知れません。出汁は節系の香りが強くあります。よって、かえしと出汁、それぞれの特徴が明確に掴みやすい蕎麦つゆだと感じます。悪く言えば「一体感がない」ですが、よく言えば「個性豊か」と表現できます。

 

《薬味》

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青葱と山葵。
青葱は非常に香り・風味豊かで、もはやこれは「裏の畑でたった今収穫してきました」と言われたような気にさせる程の個性豊かで香り高い青葱でした。切り口からはトロッとした葱の成分が滲み出ていました。

これだけ風味・香りが強いと、通常なら完全に蕎麦切りの蕎麦風味をかき消してしまいますが、幸いにもこの店の蕎麦切りは風味の個性が強いため、決してこの青葱の風味には負けません。「個性vs個性」の勝負が垣間見れます。

反して山葵については、どうみても粉山葵にしか見えないが… 辛さも異様に辛い。驚くほどに辛い。あまりにも鼻にツンと来てしまうと、その瞬間は完全に嗅覚が麻痺します。これではせっかくの素晴らしい蕎麦の風味を感じることができません。

 

《蕎麦湯》

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セルフサービスで蕎麦湯を頂くことになります。
このお店の蕎麦湯は蕎麦を湯がいた湯ではなく、蕎麦粉を熱湯で溶いて作られているそうです。見た目はやや濃い目の灰色で、見た目もトロっとしれば口にしてもトロッとした舌触りです。蕎麦の香りもしっかりと残留していますが、予想以上に強すぎない香りが残っていますので非常に口にしやすいです。この蕎麦湯に蕎麦つゆを足し合わせて飲むのが一般的な飲み方なのですが、この蕎麦湯は、蕎麦つゆで割らなくてもそのまま飲んでも十分楽しめる蕎麦湯だと感じます。現に、蕎麦湯だけで飲むこと数回、おかわりさせて頂きました。

無論、蕎麦つゆと割って飲んでもよし。相当なパンチ力のある蕎麦湯が楽しめます。濃厚トロトロな和風蕎麦ポタージュのできあがりです。

 

 

とにかくこの店は、「蕎麦切り」が命であり生命線。他の要素に若干の疑問はあるものの、蕎麦切りの良さだけでそれらマイナス面を覆い尽くす勢いです。蕎麦の質、とくにレアな在来種の希少性を理解できる方であればこの店はとてつもなく存在価値の高い店であると言えます。逆に蕎麦の理解の薄い方がこの店にやってきても、本来の価値には気づかないでしょう。

 

繰り返しますが、この店は「完全予約制」です。ふらっと思いつきで立ち寄れません。当日に予約したらどうなの?って疑問はありますが、どうなんでしょう?状況次第では多分大丈夫なのかな?わかりませんが…
その前に、この店は基本土日祝の10:00~15:00が営業時間であることを注意しなければなりません。なお予約があれば、平日でもご対応は可能だそうです。

また店舗は100席も席数を備えています。それに合わせて駐車場も広く確保されており、店舗前駐車場には30台ほど駐車が可能です。

余談ですが、帰り際にレジにて店員さんに「蕎麦畑ってどの辺りにあるんですか?」と訊いてみたところ、「この辺一体の畑がすべて蕎麦畑なんです」との回答が。まさに「そばの郷」ですね。(^^ゞ (参考:https://youtu.be/BhrQs-GZSAQ

 


【蕎麦探訪記】赤花そばの郷(73店目)

 

 

「赤花そばの郷」主観的評価

★★★★★★★☆☆☆

(何度でも行きたくなる素晴らしい蕎麦店)

 

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