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このブログでは、関西・近畿とその隣接域を主体に、主に車中泊キャンプの様子や野外活動にまつわること、趣味の蕎麦食べ歩きや愛車・クルマのことについて綴っていきます。

【蕎麦探訪記 No.098】手打ち蕎麦 吉祥庵

手打ち蕎麦 吉祥庵
京都府木津川市加茂町西小札場77-4

訪問日:令和5年2月19日(日) 11:00
天 候:雨
気 温:14℃
湿 度:89%
URL:https://kisshouan-1.jimdosite.com/
電 話:0774-76-4007
所在地:京都府木津川市加茂町西小札場77-4

https://goo.gl/maps/VDd37rKQ8AwUGQdi6

 

本日は天候に恵まれず降雨量の多い日でした。

このお店は浄瑠璃寺のお膝元にあります。

小田原山 浄瑠璃寺 本堂

↑の写真は蕎麦食べたあとに行ってみたんですが、今日の雨が一層よい情緒醸し出していました。

閑話休題
お店自体は50年以上営業されているそうですが、令和2年に一度茶房になり、令和3年に再び蕎麦店に戻られている変遷になります。長年の営業なので、店主さんも初代→次男さん→三男さんに引き継がれ、令和5年2月19日現在は三男さんが店主・蕎麦打ちとして営業されていらっしゃいます。

さて、歴史あるお店と引き継がれた伝統、侘寂を感じざるを得ない趣き、これ以上ない素晴らしい空気感とともにお蕎麦を頂くことにします。

お店に入ったらすぐ、↑こんな粋な装飾が目に飛び込んできます。店の入口前で一定の印象を残し、扉を開けて入った途端にこのようなシンプルなのにインパクト強いこの演出が、なんかとてもいい…❤

店内はこんな感じでした。

いやぁ、こんな侘寂感溢れる空間の蕎麦店なんて来たことがありません。過去訪問してきた店の中でもナンバーワンの侘寂感です。冒頭でもお伝えしましたが、由緒あるお寺の膝下、長い歴史の営業、一度茶房になったこともあるこのお店。この雰囲気だけで鳥肌が立ちました(^^ゞ

さて、注文しましょう。

このお店のメニューは至ってシンプルです。せいろ蕎麦、にしん蕎麦、にしん甘露煮、日本酒のみ。すごいと思いませんかこのメニュー。シンプルイズベストという言葉が俗っぽく聴こえてくるような非常に基本的な構成です。まさに蕎麦屋です。ちなみに過去には、鶏せいろや小海老のかき揚げなどもメニューにあったみたいですが、現在はありません。

という訳で、何も悩むこと無く本日はせいろそばとにしん甘露煮を頂くことにしました。帯同の母はニシンそばをご注文です。それでは、頂きましょう(^^)

 

  せいろそば

せいろそば

------ 蕎麦切り ------------------

産地品種は未確認です。が、このお店で産地だの品種だのに拘ることはとても野暮ったいですね。蕎麦は丸抜きの二八で打たれています。灰白色でやや細めにカットされエッジが目立っています。星飛びは殆どなく、若干ですが水切りが甘い印象でした。

リップタッチは良好でツルルと口の中に入っていきます。咀嚼をすると蕎麦の野生感がしっかりと感じられる香気を放っていました。コシは強めで噛み続けていくとしっかりとしたモチモチ感に変遷していきます。喉越しも気持ちよく、唇から胃の中までの全ての過程において蕎麦の蕎麦らしい雰囲気を感じ取ることができました。

ちなみに、吉祥庵さんの蕎麦には大盛り設定がありません。また一人前の量がやや少な目で成人男性は恐らく物足らない量になると思います。いか様は一人前を追加しました。他客の男性の方も追加していらっしゃいました。また、量だけでの問題ではないのだとは思いますが、この量での価格設定もちょっと気になるところではありますね。

------ 蕎麦つゆ ------------------

鰹出汁の風味が目立つ蕎麦つゆです。ほんの少し甘口寄りの塩梅ですが、なんというか、丁度いい塩梅です。また見た目からもわかるようにやや透明感のある蕎麦つゆで、テイスティングしてみても抵抗感の全くない爽やかで澄み切った蕎麦つゆでした。濃厚ではなくフレッシュ。洗練度が非常に高い蕎麦つゆだと考えます。

------ 薬味 ----------------------

山葵のみです。これがまた良い。何なら無くたってもいい(薬味なしでも十分美味しいということです)。擦り下ろされた山葵は辛み控えめですが非常に澄み切っています。なんという爽やかな辛みの山葵なのか… かなり感激しました。ここまで清涼感ある山葵だとは思いませんでした。

------ ニシン甘露煮 --------------

ニシンだけピックアップするのも珍しいですが、別に大きな意図はありません。前述のとおりニシンの甘露煮も注文しました、と言及していたので触れずにいるのもできない性格なもので(^^ゞ

このニシン、恐らくですがニシンそばに乗せられるニシンと同じもの?だと思います。食べてみましたが、まさにそれ。甘露煮なのでアマカラ度が強い味わいですが、ほんのり上品な苦味が少しあって、これがまた味の深みを加速させています。これはThe・酒の肴、ですね。いか様の移動の足はほぼ必ずクルマで今回も当然クルマなのでお酒は飲めないですが、これは本当にお酒が飲みたくなる…

------ 蕎麦湯 --------------------

ストレート型の蕎麦湯です。混ぜものは一切ありません。本日の営業上では一番目の蕎麦湯になるはずですが、想像以上に白濁としており、蕎麦湯においては蕎麦の香りがふんわり優しく漂っていました。勝手な想像ですが、お湯、というか湯掻き用の元の水もかなり美味しい水なのではないでしょうか。

ストレート型なので口当たり等はサラサラなのですが、こんなに優しい蕎麦湯はなかなか出会ったことがないですね。

加えて説明すると、蕎麦つゆに割り入れて口にする蕎麦湯には大きな感動を覚えました。もう、本当に優しい。なのに、蕎麦の香り、蕎麦つゆの個性を別次元のものに変えてしまう魔法のような蕎麦湯だったと感じました。

 

吉祥庵さん、一言で言うと「本質」です。まさに蕎麦・蕎麦店の本質のようなお店だと思います。侘寂感溢れる佇まい、シンプルなメニュー構成、上品なサーブ。そして確実に心に染み入る蕎麦の味。そう考えれば価格や量の件もあまり気にしてはいけないような気になってきます。逆に、そんなこと気にするのはいか様がまだまだ俗物人間な証拠でしょう。

あと余談ですが、この、京都府木津川市の「手打ち蕎麦 吉祥庵」さんは、この店単独の経営・営業です。店名・屋号が同じ又は類似のお店は全国にたくさんあるので、お間違えにならないようご注意願います。

 

では駐車事情もろもろのお話です。

吉祥庵さん自体にお店専用の駐車場は存在しません。しかしここはちょっとした観光地にもなっている浄瑠璃寺のお膝元。浄瑠璃寺来訪者用の有料駐車場がすぐそばにあります。



https://goo.gl/maps/fcQt4S6TpDMVWnSdA

駐車料金は300円ですね。時間制限もなかったと思います。クルマでの訪問の際はここに駐車するとよいでしょう。

蕎麦だけ食べに来て駐車料金云々…と気になるようでしたら、せっかくここまで来たのでついでに浄瑠璃寺散策など行ってみては如何でしょうか?

www.city.kizugawa.lg.jp

ってか、一般的には逆?浄瑠璃寺に来てお腹すいたら蕎麦食べる、なのかも。いやそうでしょうw

浄瑠璃寺参道には歴史と風情を感じさせるお土産屋と、飲食店が確か2軒ほどあったような気がします。駐車場から浄瑠璃寺境内まで然程歩きませんので、そんなに移動が苦にならないと思うのと、

境内もそんなに広大でもないので、割りとさっくりと散策・観光が可能だと思います。本堂前の庭園がとてもいい雰囲気だし、そもそも浄瑠璃寺は国宝・重要文化財になる仏像が多くいらっしゃいます。

そうそう、あと、

境内にゃんこもいます(ちょっとピンボケ…)。にゃんこと言えば、境内だけではなく参道付近にも何匹かいましたね。あと動画をご覧になればわかりますが、動画のはじめの方で、まるで蕎麦屋に誘うかのように雨降りの中、一匹のわんこが出迎えてくれました。なんでしょうか、この付近、犬と猫に出くわす機会がやや多い気がします(^^ゞ

 

と、今回は情報量の多い記事になりましたが、とにかくこの付近、来る価値はとても高いと思います。機会があればぜひ行ってみてください!

では今回はこのあたりで。また次回の蕎麦探訪でお会いしましょう~\(^o^)/~~~

 

「手打ち蕎麦 吉祥庵」主観的評価
★★★★★★★☆☆☆
(何度でも行きたくなる素晴らしい蕎麦店)

 

https://youtu.be/b-bRGIr1H8k

 

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